ウェーデング・レスキュー湘南2003 救急講習

実際にあなたのまわりでケガ人や急病人が出てしまい救急車を呼ばなければならなくなったらどうしたら良いのでしょうか?

まず周囲に助け(協力者)を求め、患者を安全な場所に移動させましょう。
そしてあわてずに119番通報し「救急です」と告げてください。
(携帯電話でも119番通報できます。)

1. 救急車の行く場所(住所)を伝えます。
  しかし、釣行場所では住所が分かりません。どうしたらよいのでしょうか?
  必ず釣りをする前にそこの場所の目標物を確認しましょう。例えば〇〇ビル前の海岸とか〇〇川の河口から西側へ約200m行った海岸など。とくに河口の場合は川の右岸左岸(西側東側)を間違えると大きな時間のロスになるので注意して下さい。

2. 今の状態を簡潔に話します。
  溺れたのか?流されてしまったのか?何でケガをしたのか?意識はあるのか?など。
  また、消防署からの質問に対しては分かる範囲で答えて下さい。
  救急車が到着するまでの間、応急処置をしてもらうことがあります。その場合は、消防署の指示に従ってください。

3. 救急車が到着するまでできる限りその場を離れない。協力者がいる場合には、救急車の案内をしてもらいましょう。
    
4. 救急隊と接触するまで携帯電話は使用しないで下さい。要請場所がはっき
りしない場合は、通報者に連絡することがあります。
   ※ 救急車が到着する前に、容態が変化した場合(意識がなくなった、様子がおかしい等)はすぐに119番通報して容態が変化したことを知らせて下さい。

 5. 救急車を案内し救急隊が到着したら、救急隊に状況を説明して下さい。
   いつ、どこで、どのように(何で)、どうしたのか?を簡単に話して下さい。

※ 安全が確保できない場合、救助者に危険が迫っている場合など二次災害が起こる可能性がある場合は、それを除去または回避し、できなければただちに避難してください。


 私たちは、いつどこでケガ人や急病人に出会うかわかりません。そのような時、救急車が来るまでに何らかの処置をしないと命にかかわることがあります。
 そこで『もしも』のときに役立つ救命手当を学ぶ必要があるのです。

 救急車が現場に到着するまでに、約6分かかります。この6分間に救命手当をしたかしないかによって患者の予後が大きく変わることがあります。
 心臓停止後、脳は血液の供給が途絶えると約3分で正常な機能が失われます。
つまり、命は助かっても何らかの障害を残すおそれがあります。
救急車が到着するまでの間に、現場にいる皆さんが一刻も早く心肺蘇生法を行い、
脳に血液を送り込むことによって救命できるチャンスが広がるのです。

 図1はカーラーの救命曲線といいます。心臓または呼吸が止まってから、大量出血が起こってから何分くらい経つと命が助からないかが曲線で示されています。このようなときに救急車が来るまでに手をこまねいていると、大切な命を救うことができないことがこの図から分かると思います。

心臓や呼吸が停止しているような重篤な状態では、まわりにいる皆さんによる早い119番通報、早い心肺蘇生法などの救命手当、そして救急救命士の行う高度な救命処置、医療機関における医療処置がスムーズな連携プレーで行われることが救命のためには必要なのです。



家族や友人が倒れたとき、「早い通報」「早い救命手当」はあなたに行っていただくしかないのです。